○関川村むらづくり基本条例
平成16年6月25日
条例第19号
前文
関川村は、自然や資源の豊かな村です。長い歴史のなかで、先人たちは苦難と努力によって今日の豊かさを培ってきました。
私たちは、先人が与えてくれた恵みを基礎として、住んでいる人々が自信を持ち誇れる村にするため、一人ひとりが知恵を絞り汗を流してその実現に向けて立ち上がります。
私たちは、行動の指針として関川村村民憲章(平成10年3月17日制定)を掲げ、その推進に向けて努力します。
私たちは、ここにむらづくりの基本を明らかにするため、この関川村むらづくり基本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、関川村のむらづくりにおける、村民、議会及び村の役割を明らかにし、住民自治の基本原則を定めることを目的とする。
(1) 村民 関川村に住んでいる者及び村内に根拠(拠点)を置く法人その他の団体をいう。
(2) 村 村長及び行政委員会の村執行機関全体をいう。
(3) 住民自治 主権者としての村民が、主体的に地域課題等の解決に向けてともに考え行動することをいう。
(4) むらづくり 前文に掲げた理念を住民自治に基づいて実現することをいう。
(5) 協働 村民や団体がそれぞれ果たすべき責務と役割を自覚し、相互に助け合い、協力することをいう。
(6) 参画 村の実施する施策や事業等の計画策定、実施等における参加をいう。
(7) コミュニティ 村民がお互いに助け合い、育みあう心豊かな生活を送ることを目的として、自主的に結ばれた組織をいう。
第2章 基本原則
第1節 基本原則
(基本原則)
第3条 村民、議会及び村は、この条例を村の最高規範として尊重する責務を負い、それぞれの立場でむらづくりを推進するものとする。
(人権の尊重)
第4条 村民、議会及び村は、憲法で定める基本的人権を尊重し、すべてにおいて一人ひとりの人権に配慮しなければならない。
(むらづくりの規範)
第5条 村民及び村は、むらづくりにあたっては次に掲げる規範に基づき、それぞれの役割と責務に応じ、行動するよう努めるものとする。
(1) むらづくりは、村民と村との信頼を深めることにより進めるものとする。
(2) むらづくりは、村民相互の信頼及び連帯を深めることにより進めるものとする。
(3) むらづくりは、男女が共同で参画することを原則とする。
(4) むらづくりは、村民の世代間相互の理解を深めることにより進めるものとする。
(5) むらづくりは、文化の多様性を尊重して進めるものとする。
(6) むらづくりは、村民の健康の増進及び地球環境の保全に配慮して進めるものとする。
(7) むらづくりは、地域の個性を尊重して進めるものとする。
(8) むらづくりは、村内に働く者及び村出身者等の協力を得て進めるものとする。
第2節 村民の役割
(村民の権利)
第6条 村民は、住民自治の主体として、むらづくりをする権利を有する。
(村民の義務)
第7条 村民は、法令に規定する義務を誠実に守り、自主的な村民の活動をお互いに尊重するとともに、自らの発言と行動に責任を持たなければならない。
2 村民は、その権利の行使にあたっては常に村民全体の公共の福祉、次世代への責務及び村の将来に十分配慮しなければならない。
第3節 コミュニティ及び集落の役割
(コミュニティの役割)
第8条 村民は、むらづくりを多様に支えることができるコミュニティの役割を認識し、その活動を尊重するとともに、積極的に参加するものとする。
(集落の役割)
第9条 村民は、長い歴史を持ち生活の基盤でもある集落の役割を認識し、活力ある集落づくりのために積極的に参加するものとする。
(むらづくり活動への支援)
第10条 村は、コミュニティ、集落及びむらづくりについて自主的な活動をする団体等に対し、その活動に対して技術的支援、財政的支援その他の必要な措置を講じるよう努めるものとする。
2 村は、村民のむらづくりに参加する意識の高揚を図るため、むらづくりに関する講座、講習会等の学習の機会を確保し、その生涯学習を推進しなければならない。
第4節 議会の役割
(議会の役割)
第11条 地方自治法に基づいて村の議決機関として設置されている議会は、住民自治における役割を認識して活動しなければならない。
2 議会は、村民の多様な意思を反映するため、常に村が適正な行政運営を行っているかを監視するとともに、村民に対してそれを明らかにしなければならない。
3 議会は、議決した事項にあっては、適正かつ迅速に推進されるよう村の活動に理解を示し、その督励に努めるものとする。
4 議会は、公開とし、村民に開かれた議会となるように努めるものとする。
第5節 村の役割
(村の責務)
第12条 村は、村民の意思を取り入れ、村民参画を基本とし、総合的かつ迅速に行政運営を行うものとする。
(村政運営)
第13条 村は、公正、公平で効率的な行政運営に努めるものとする。
2 村職員は、村政運営の権限が村民の信託に基づいていることを自覚し、公共の福祉の向上のために、その職務を誠実かつ積極的に果たすものとする。
3 村は、村の発展及び村民との協働に必要な政策調整能力を備えた村職員の養成に努めなければならない。
4 村職員は、村政運営及びむらづくりに必要な能力開発のため、自己啓発に努めなければならない。
(総合計画等)
第14条 むらづくりを総合的かつ計画的に進めるための基本構想及びこれを具体化するための計画並びにむらづくりに関するその他の計画(以下「総合計画等」という。)は、この条例に沿って策定されるとともに、新たな課題に対応できるよう不断の検討が加えられなければならない。
(安全なむらづくり)
第15条 村は、災害、事故、公害、犯罪等から村民の生命及び財産を守り、安心して暮らすことのできるようにするため、常に関係機関等の協力及び連携を図りながら万全な危機管理体制を確立しなければならない。
第6節 自治体間の連携及び村外の人々との交流
(自治体間の連携及び村外の人々との交流)
第16条 村は、近隣自治体との情報の共有及び相互理解のもとに、効果的に自治を推進するものとする。
2 村民及び村は、関川村の多様な情報を積極的に発信するとともに、様々な取り組みや活動を通じて、村外の人々との交流を促進し、そこで得た知恵及び意見をむらづくりに活用するものとする。
第3章 情報の共有
(情報の共有の原則)
第17条 村民及び村は、自ら考え行動するという住民自治の理念を実現するため、むらづくりに関する情報を共有することを原則とする。
(情報公開)
第18条 村は、村政に関して村民に説明責任を果たすため、積極的に情報公開を行うものとする。
2 村が作成する文書等は、村民に分かりやすい表現を用いるものとする。
第4章 参画・協働
(参画の原則)
第19条 村民は、村の基本的な計画の策定など村政の重要な方針決定に参画する権利を有する。
2 村は、総合計画をはじめ重要な計画策定及び重要な条例制定にあたっては、村民の多様な参画に十分配慮しなければならない。
(協働の原則)
第20条 事業の実施にあたり村と村民は、協働し、住民力を活かした活動が図られるように努めるものとする。
2 村は、地域の問題を解決するために、コミュニティ、集落等との協働を推進する。
第5章 行政評価等
(行政評価等)
第21条 村は、行政課題や村民のニーズに対応した能率的かつ効果的な村政運営を進めるため行政評価を行い、その結果を村民に公表するよう努めるものとする。
2 村は、総合計画等や行政評価を踏まえた財政の仕組みを確立するとともに、財政状況を村民に積極的に公表するものとする。
第6章 推進機関等
(推進機関)
第22条 村は、この条例に沿った住民自治の推進に努めるための機関を設置するものとし、関川村総合振興審議会条例(昭和57年関川村条例第1号)をもってその機関とする。
(条例の尊重)
第23条 議会及び村は、新たに条例、規則その他の規程等を定めようとする場合においては、この条例に定める事項を遵守しなければならない。
(条例の見直し)
第24条 村は、社会的状況等の変化に照らし、この条例がむらづくりの推進においてふさわしいものであるかどうかを一定の期間ごとに検討しなければならない。
2 村は、前項の検討の結果、見直しを必要とする場合は、条例改正のための必要な措置を講じなければならない。
(委任)
第25条 この条例の施行に関し必要な事項は、別に定める。
附則
この条例は、平成16年8月1日から施行する。
附則(平成23年6月20日条例第10号)
この条例は、平成23年8月1日から施行する。