○関川村準用河川管理施設等の構造の技術的基準を定める規則
平成25年3月29日
規則第6号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 ダム(第3条~第16条)
第3章 堤防(第17条~第35条)
第4章 床止め(第36条~第39条)
第5章 堰(第40条~第49条)
第6章 水門及び樋門(第50条~第57条)
第7章 揚水機場、排水機場及び取水塔(第58条~第63条)
第8章 橋(第64条~第71条)
第9章 伏せ越し(第72条~第76条)
第10章 雑則(第77条~第79条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規則は、関川村準用河川管理施設等の構造の技術的基準を定める条例(平成25年関川村条例第6号。以下「条例」という。)第2条第2項の規定に基づき、河川管理施設等構造令(昭和51年政令第199号。以下「構造令」という。)について河川管理上必要とされる一般的技術的基準を定めるものとする。
(1) 常時満水位 ダムの新築又は改築に関する計画において非洪水時にダムによって貯留することとした流水の最高の水位でダムの非越流部の直上流部におけるものをいう。
(2) サーチャージ水位 ダムの新築又は改築に関する計画において洪水時にダムによって一時的に貯留することとした流水の最高の水位でダムの非越流部の直上流部におけるものをいう。
(3) 設計洪水位 ダムの新築又は改築に関する計画において、ダムの直上流の地点において200年につき1回の割合で発生するものと予想される洪水の流量、当該地点において発生した最大の洪水の流量又は当該ダムに係る流域と水象若しくは気象が類似する流域のそれぞれにおいて発生した最大の洪水に係る水象若しくは気象の観測の結果に照らして当該地点に発生するおそれがあると認められる洪水の流量のうちいずれか大きい流量(フィルダムにあっては、当該流量の1.2倍の流量。以下「ダム設計洪水流量」という。)の流水がダムの洪水吐きを流下するものとした場合におけるダムの非越流部の直上流部における最高の水位(貯水池の貯留効果が大きいダムにあっては、当該水位から当該貯留効果を考慮して得られる値を減じた水位)をいう。
(4) 計画高水流量 過去の主要な洪水及びこれらによる災害の発生の状況並びに流域及び災害の発生を防止すべき地域の気象、地形、地質、開発の状況等を総合的に考慮して、村長が定めた高水流量をいう。
(5) 計画横断形 計画高水流量の流水を流下させ、背水が河川外に流出することを防止し、高規格堤防設計水位以下の水位の流水の作用に対して耐えるようにし、河川を適正に利用させ、流水の正常な機能を維持し、及び河川環境の整備と保全をするために必要な河川の横断形で、村長が定めたものをいう。
(6) 流下断面 流水の流下に有効な河川の横断面をいう。
(7) 計画高水位 計画高水流量及び計画横断形に基づいて、又は流水の貯留を考慮して、村長が定めた高水位をいう。
(8) 高規格堤防設計水位 高規格堤防(法第6条第2項に規定する高規格堤防をいう。以下同じ。)を設置すべきものとして村長が定めた河川の区間(第50条第2項において「高規格堤防設置区間」という。)の流域又は当該流域と水象若しくは気象が類似する流域のそれぞれにおいて発生した最大の洪水に係る水象又は気象の観測の結果に照らして当該区間の流域に発生するおそれがあると認められる洪水が生ずるものとした場合における当該区間の河道内の最高の水位をいう。
第2章 ダム
(適用の範囲)
第3条 この章の規定は、次に掲げるダム以外のダムについて適用する。
(1) 土砂の流出を防止し、及び調節するため設けるダム
(2) 基礎地盤から堤頂までの高さが15メートル未満のダム
(構造の原則)
第4条 ダムの堤体及び基礎地盤(これと堤体との接合部を含む。以下同じ。)は、必要な水密性を有し、及び予想される荷重に対し必要な強度を有するものとする。
2 コンクリートダムの堤体は、予想される荷重によって滑動し、又は転倒しない構造とするものとする。
3 フィルダムの堤体は、予想される荷重によって滑り破壊又は浸透破壊が生じない構造とするものとする。
4 ダムの基礎地盤は、予想される荷重によって滑動し、滑り破壊又は浸透破壊が生じないものとするものとする。
5 フィルダムの堤体には、放流設備その他の水路構造物を設けてはならない。
(堤体の非越流部の高さ)
第5条 ダムの堤体の非越流部の高さは、洪水吐きゲートの有無に応じ、コンクリートダムにあっては次の表の右欄に掲げる値のうち最も大きい値以上、フィルダムにあっては同欄に掲げる値のうち最も大きい値に1メートルを加えた値以上とするものとする。
項 | 区分 | 堤体の非越流部の高さ (単位:メートル) |
1 | 洪水吐きゲートを有するダム | Hn+hw+he+0.5(hw+he<1.5のときは、Hn+2) Hs+hw+(he/2)+0.5(hw+(he/2)<1.5のときは、Hs+2) Hd+hw+0.5(hw<0.5のときは、Hd+1) |
2 | 洪水吐きゲートを有しないダム | Hn+hw+he(hw+he<2のときは、Hn+2) Hs+hw+(he/2)(hw+(he/2)<2のときは、Hs+2) Hd+hw(hw<1のときは、Hd+1) |
備考 この表において、Hn、hw、he、Hs及びHdは、それぞれ次の数値を表すものとする。 Hn 常時満水位(単位:メートル) hw 風による波浪の貯水池の水面からの高さ(単位:メートル) he 地震による波浪の貯水池の水面からの高さ(単位:メートル) Hs サーチャージ水位(単位:メートル) Hd 設計洪水位(単位:メートル) |
(堤体等に作用する荷重の種類)
第6条 ダムの堤体及び基礎地盤に作用する荷重としては、ダムの種類及び貯水池の水位に応じ、次の表に掲げるものを採用するものとする。
ダムの種類 | 重力式コンクリートダム | アーチ式コンクリートダム | フィルダム | |
貯水池の水位 | ||||
1 | ダムの非越流部の直上流部における水位が常時満水位以下又はサーチャージ水位以下である場合 | W、P、Pe、I、Pd、U | W、P、Pe、I、Pd、U、T | W、P、I、Pp |
2 | ダムの非越流部の直上流部における水位が設計洪水位である場合 | W、P、Pe、U | W、P、Pe、U、T | W、P、Pp |
備考 この表において、W、P、Pe、I、Pd、U、Pp及びTは、それぞれ次の荷重を表すものとする。 W ダムの堤体の自重 P 貯留水による静水圧の力 Pe 貯水池内に堆積する泥土による力 I 地震時におけるダムの堤体の慣性力 Pd 地震時における貯留水による動水圧の力 U 貯留水による揚圧力 Pp 間隙圧(ダムの堤体の内部及びダムの基礎地盤の浸透水による水圧)の力 T ダムの堤体の内部の温度の変化によって生ずる力 |
(洪水吐き)
第7条 ダムには、洪水吐きを設けるものとする。
2 洪水吐き(減勢工を除く。)は、ダム設計洪水流量以下の流水を安全に流下させることができる構造とするものとする。
3 洪水吐きは、ダムの堤体及び基礎地盤並びに貯水池に支障を及ぼさない構造とするものとする。
(越流型洪水吐きの越流部の幅)
第8条 越流型洪水吐きを有するダムの上流における堤防(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る堤防(以下「計画堤防」という。)を含む。)の高さが当該ダムの設計洪水位以上非越流部の高さ以下である場合においては、第42条及び第43条の規定は、当該ダムの洪水吐きについて準用する。この場合において、第42条第1項中「径間長(隣り合う堰柱の中心線間の距離をいう。以下この章において同じ。)」とあるのは「越流部の幅(洪水吐きの越流部が門柱、橋脚等によって分割されているときは、分割されたそれぞれの越流部の幅をいう。以下この条及び次条において同じ。)」と、同条第42条第1項の表及び同条第2項から第5項まで並びに第43条中「径間長」とあるのは「越流部の幅」と読み替えるものとする。
(減勢工)
第9条 ダムの堤体又は下流の河床、河岸若しくは河川管理施設を保護するため、洪水吐きを流下する流水の水勢を緩和する必要がある場合においては、洪水吐きに適当な減勢工を設けるものとする。
(ゲート等の構造の原則)
第10条 ダムのゲート(バルブを含む。以下この章において同じ。)は、確実に開閉し、かつ、必要な水密性及び耐久性を有する構造とするものとする。
2 ダムのゲートの開閉装置は、ゲートの開閉を確実に行うことができる構造とするものとする。
3 ダムのゲートは、予想される荷重に対して安全な構造とするものとする。
4 ゲートを有する洪水吐きには、必要に応じ、予備のゲート又はこれに代わる設備を設けるものとする。
(ゲートに作用する荷重の種類)
第11条 ダムのゲートに作用する荷重としては、ゲートの自重、貯留水による静水圧の力、貯水池内に堆積する泥土による力、貯留水の氷結時における力、地震時におけるゲートの慣性力、地震時における貯留水による動水圧の力及びゲートの開閉によって生ずる力を採用するものとする。
(1) 常時満水位である場合
(2) サーチャージ水位である場合
(3) 設計洪水位である場合
3 フィルダムの堤体及び基礎地盤に関する構造計算は、前項の規定によるほか、ダムの非越流部の直上流部における水位が常時満水位以下で、かつ、水位を急速に低下させる場合における荷重を採用して行うものとする。
4 ダムの構造計算に用いる設計震度は、ダムの種類に応じ、次の表に掲げる値以上の値で当該ダムの実情に応じて定める値とする。
ダムの種類 | 値 | ||
1 | 重力式コンクリートダム | 0.12 | |
2 | アーチ式コンクリートダム | 0.24 | |
3 | フィルダム | ダムの堤体がおおむね均一の材料によるもの | 0.15 |
その他のもの | 0.15 |
5 ダムの非越流部の直上流部における水位がサーチャージ水位である場合は、同条第9項の場合を除き、ダムの構造計算に用いる設計震度は、前項の規定により定めた値の2分の1の値とすることができる。
6 アーチ式コンクリートダムのゲートを堤体以外の場所に設ける場合における当該ゲートの構造計算に用いる設計震度は、同条第4項及び第5項の規定により定めた値の2分の1の値とすることができる。
7 第6条の表のダムの堤体の自重は、ダムの堤体の材料の単位体積重量を基礎として計算するものとする。
(貯留水による静水圧の力)
8 第6条の表の貯留水による静水圧の力は、ダムの堤体と貯留水との接触面に対して垂直に作用するものとし、次の式によって計算するものとする。
P=W0h0
10 第6条の表の貯水池内に堆積する泥土による力は、ダムの堤体と貯水池内に堆積する泥土との接触面において鉛直方向及び水平方向に作用するものとし、鉛直方向に作用する力は堆積する泥土の水中における単位体積重量を基礎として計算するものとし、水平方向に作用する力は次の式によって計算するものとする。
Pe=CeW1d
(この式において、Pe、Ce、W1及びdは、それぞれ次の数値を表すものとする。
Pe 泥土による水平力(単位:1平方メートルにつき重量トン)
Ce 適切な工学試験の結果又は類似のダムの構造計算に用いられた値に基づき定める泥圧係数
W1 堆積する泥土の水中における単位体積重量(単位:1立方メートルにつき重量トン)
d 貯水池内に堆積すると予想される泥土面からダムの堤体と堆積する泥土との接触面上の泥土による水平力を求めようとする点までの深さ(単位:メートル))
11 第6条の表の地震時におけるダムの堤体の慣性力は、ダムの堤体に水平方向に作用するものとし、次の式によって計算するものとする。
I=WKd
(この式において、I、W及びKdは、それぞれ次の数値を表すものとする。
I 地震時におけるダムの堤体の慣性力(単位:1立方メートルにつき重量トン)
W ダムの堤体の自重(単位:1立方メートルにつき重量トン)
Kd 同条第4項の規定により定めた設計震度
12 第6条の表の地震時における貯留水による動水圧の力は、ダムの堤体と貯留水との接触面に対して垂直に作用するものとし、適切な工学試験又は類似のダムの構造計算に用いられた方法に基づき定める場合を除き、次の式によって計算するものとする。
Pd=0.875W0Kd√(H1h1)
(この式において、Pd、W0、Kd、H1及びh1は、それぞれ次の数値を表すものとする。
Pd 地震時における貯留水による動水圧の力(単位:1平方メートルにつき重量トン)
W0 水の単位体積重量(単位:1立方メートルにつき重量トン)
Kd 同条第4項の規定により定めた設計震度
H1 ダムの非越流部の直上流部における水位から基礎地盤までの水深(単位:メートル)
h1 ダムの非越流部の直上流部における水位からダムの堤体と貯留水との接触面上の動水圧を求めようとする点までの水深(単位:メートル)
断面上の位置 | (1) | (2) | (3) | |||
断面の区分 | 上流端 | 上流端と下流端との間 | 下流端 | |||
1 | 排水孔の効果が及ぶ断面 | 上流側水圧の値 | (ア) | (イ) | (ウ) | 下流側水圧の値 |
上流端と排水孔との間 | 排水孔 | 排水孔と下流端との間 | ||||
(1)欄の値と(2)の(イ)欄の値とを直線的に変化させた値 | (1)欄の値と(3)欄の値との差の5分の1以上の値に(3)欄の値を加えた値 | (2)の(イ)欄の値と(3)欄の値とを直線的に変化させた値 | ||||
2 | 排水孔の効果が及ばない断面又は排水孔のないダムの断面 | 上流側水圧と下流側水圧との差の3分の1以上の値に下流側水圧を加えた値 | (1)欄の値と(3)欄の値とを直線的に変化させた値 | 下流側水圧の値 |
(コンクリートダムの安定性及び強度)
14 コンクリートダムは、同条第2項に規定する場合において、ダムの堤体と基礎地盤との接合部及びその付近におけるせん断力による滑動に対し、必要なせん断摩擦抵抗力を有するものとする。
15 前項のせん断摩擦抵抗力は、次のアの式によって計算するものとし、かつ、次のイの式を満たすものでなければならない。
ア Rb=fV+τ0l0
イ Rb≧4H
(これらの式において、Rb、f、V、τ0、l0及びHは、それぞれ次の数値を表すものとする。
Rb 単位幅当たりのせん断摩擦抵抗力(単位:1メートルにつき重量トン)
f 適切な工学試験の結果又は類似のダムの構造計算に用いられた値に基づき定める内部摩擦係数
V 単位幅当たりのせん断面に作用する垂直力(単位:1メートルにつき重量トン)
τ0 類似のダムに関する資料及び岩盤性状等により明らかな場合を除き、現場試験の結果に基づき定めるせん断強度(単位:1平方メートルにつき重量トン)
l0 せん断抵抗力が生ずるせん断面の長さ(単位:メートル)
H 単位幅当たりのせん断力(単位:1メートルにつき重量トン))
16 コンクリートダムの堤体に生ずる応力は、第2条第1項に規定する場合において、標準許容応力を超えてはならないものとする。ただし、地震時において、ダムの堤体に生ずる圧縮応力については、標準許容応力にその30パーセント以内の値を加えた値を超えてはならないものとする。
17 前項の標準許容応力は、ダムの堤体の材料として用いられるコンクリートの圧縮強度を基準とし、安全率を4以上として定めるものとする。
18 重力式コンクリートダムの堤体は、同条第2条に規定する場合において、その上流面に引っ張り応力を生じない構造とするものとする。ただし、局部的な引っ張り応力に対して鉄筋等で補強されているダムの堤体の部分については、この限りでない。
(フィルダムの安定性及び堤体材料)
19 フィルダムは、同条第2項及び第3項に規定する場合において、ダムの堤体の材料の性質及び基礎地盤の状況を考慮し、ダムの堤体の内部、ダムの堤体と基礎地盤との接合部及びその付近における滑りに対し、必要な滑り抵抗力を有するものとする。
20 前項の滑り抵抗力は、次のアの式によって計算するものとし、かつ、次のイの式を満たすものでなければならない。
ア Rs=Σ{(N-U)tanφ+Cl1}
イ Rs≧1.2ΣT
(これらの式において、Rs、N、U、φ、C、l1及びTは、それぞれ次の数値を表すものとする。
Rs 単位幅当たりの滑り抵抗力(単位:1メートルにつき重量トン)
N 円形滑り面上の各分割部分に作用する荷重の単位幅当たりの垂直分力(単位:1メートルにつき重量トン)
U 円形滑り面上の各分割部分に作用する荷重の単位幅当たりの間隙圧(単位:1メートルにつき重量トン)
φ 円形滑り面上の各分割部分の材料の内部摩擦角(単位:度)
C 円形滑り面上の各分割部分の材料の粘着力(単位:1平方メートルにつき重量トン)
l1 円形滑り面上の各分割部分の長さ(単位:メートル)
T 円形滑り面上の各分割部分に作用する荷重の単位幅当たりの接線分力(単位:1メートルにつき重量トン)
21 フィルダムの堤体は、同条第2項に規定する場合において、浸潤線がダムの堤体の下流側の法面と交わらない構造とするものとする。
22 フィルダムの遮水壁は、次に定めるところによるものとする。
(1) 遮水壁の材料は、土質材料その他不透水性のものであること。
(2) 遮水壁の高さは、第5条の規定による値以上であること。
(3) 遮水壁及びこれと基礎地盤との接合部は、貫孔作用が生じないものであること。
23 基礎地盤から堤頂までの高さが30メートル以上で、かつ、その堤体がおおむね均一の材料によるフィルダムの構造は、同条第19項及び第21項の規定によるほか、堤体の材料及び設計等について類似のダムに用いられた適切な工学試験又は計算等に基づき安全の確認されたものとする。
24 フィルダムには、ダムの堤体の点検、修理等のため貯水池の水位を低下させることができる放流設備を設けるものとする。
項 | 区分 | 荷重 |
1 | 地震時以外の時 | W、P、Pe、Pi、P0 |
2 | 地震時 | W、P、Pe、Pi、I、Pd |
備考 この表において、W、P、Pe、Pi、I、Pd及びP0は、それぞれ次の荷重を表すものとする。 W ゲートの自重 P 貯留水による静水圧の力 Pe 貯水池内に堆積する泥土による力 Pi 貯留水の氷結時における力 I 地震時におけるゲートの慣性力 Pd 地震時における貯留水による動水圧の力 P0 ゲートの開閉によって生ずる力 |
27 前項の表において採用する荷重によりダムのゲートに生ずる応力は、適切な工学試験の結果に基づき定める許容応力を超えてはならないものとする。
28 越流型洪水吐きの引上げ式ゲートの最大引上げ時におけるゲートの下端及び越流型洪水吐きに附属して設けられる橋、巻上げ機その他の堤頂構造物は、設計洪水位において放流されることとなる流量の流水の越流水面から1.5メートル以上の距離を置くものとする。
30 越流型洪水吐きを有するダムの上流における堤防(計画横断形が定められている場合には、計画堤防を含む。)の高さが当該ダムの設計洪水位以上非越流部の高さ以下である場合においては、第42条第3項第1号、第5項第1号及び第43条第3項の規定を当該ダムの洪水吐きについて準用する。この場合において、これらの規定中「可動部」とあるのは「越流型洪水吐き」と、第42条第3項第1号中「径間長は」とあるのは「越流部の幅(洪水吐きの越流部が門柱、橋脚等によって分割されているときは、分割されたそれぞれの越流部の幅をいうは」と、「径間長に応じた径間数」とあるのは「当該越流部の幅に応じた越流部の数」と、「径間長の」とあるのは「越流部の幅の」と、「径間長を」とあるのは「越流部の幅を」と、第42条第5項第1号及び第43条第3項中「径間長は」とあるのは「越流部の幅は」と、同条中「可動堰」とあるのは「ダム」と、「径間長が」とあるのは「越流部の幅が」と、「径間長を」とあるのは「越流部の幅を」と、「径間長に応じた径間数」とあるのは「当該越流部の幅に応じた越流部の数」と読み替えるものとする。
項 | 区分 | 計測事項 | ||
ダムの種類 | 基礎地盤から堤頂までの高さ(単位:メートル) | |||
1 | 重力式コンクリートダム | 50未満 | 漏水量 揚圧力 | |
50以上 | 漏水量 変形 揚圧力 | |||
2 | アーチ式コンクリートダム | 30未満 | 漏水量 変形 | |
30以上 | 漏水量 変形 揚圧力 | |||
3 | フィルダム | ダムの堤体がおおむね均一の材料によるもの | 漏水量 変形 浸潤線 | |
その他のもの | 漏水量 変形 |
2 基礎地盤から堤頂までの高さが100メートル以上のダム又は特殊な設計によるダムには、前項に規定するもののほか、当該ダムの管理上特に必要と認められる事項を計測するための装置を設けるものとする。
(放流設備)
第14条 ダムには、河川の流水の正常な機能を維持するために必要な放流設備を設けるものとする。
(地滑り防止工及び漏水防止工)
第15条 貯水池内若しくは貯水池に近接する土地におけるダムの設置若しくは流水の貯留に起因する地滑りを防止し、又は貯水池からの漏水を防止するため必要がある場合においては、適当な地滑り防止工又は漏水防止工を設けるものとする。
(貯水池に沿って設置する樹林帯)
第16条 貯水池に沿って設置する樹林帯は、次項で定めるところにより、貯留水の汚濁又は貯水池への土砂の流入の防止について適切に配慮された構造とするものとする。
2 貯水池に沿って設置する樹林帯の構造は、成木に達したときの樹木の樹冠投影面積を樹林帯を設置する土地の区域の面積で除した値が10分の8以上であるものとする。
第3章 堤防
(適用の範囲)
第17条 この章の規定は、流水が河川外に流出することを防止するために設ける堤防及び霞堤について適用する。
(構造の原則)
第18条 堤防は、護岸、水制その他これらに類する施設と一体として、計画高水位以下の水位の流水の通常の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 高規格堤防にあっては、前項の規定によるほか、高規格堤防特別区域内の土地が通常の利用に供されても、高規格堤防及びその地盤が、護岸、水制その他これらに類する施設と一体として、高規格堤防設計水位以下の水位の流水の作用に対して耐えることができるものとするものとする。
3 高規格堤防は、予想される荷重によって洗掘破壊、滑り破壊又は浸透破壊が生じない構造とするものとし、かつ、その地盤は、予想される荷重によって滑り破壊、浸透破壊又は液状化破壊が生じないものとするものとする。
(材質及び構造)
第19条 堤防は、盛土により築造するものとする。ただし、高規格堤防以外の堤防にあっては、土地利用の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められる場合においては、その全部若しくは主要な部分がコンクリート、鋼矢板若しくはこれらに準ずるものによる構造のものとし、又はコンクリート構造若しくはこれに準ずる構造の胸壁を有するものとすることができる。
(高さ)
第20条 堤防(計画高水流量を定めない湖沼の堤防を除く。)の高さは、計画高水流量に応じ、計画高水位に次の表の右欄に掲げる値を加えた値以上とするものとする。ただし、堤防に隣接する堤内の土地の地盤高(以下「堤内地盤高」という。)が計画高水位より高く、かつ、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる区間にあっては、この限りでない。
項 | 計画高水流量(単位:1秒間につき立方メートル) | 計画高水位に加える値(単位:メートル) |
1 | 200未満 | 0.6 |
2 | 200以上500未満 | 0.8 |
3 | 500以上2,000未満 | 1 |
4 | 2,000以上5,000未満 | 1.2 |
5 | 5,000以上10,000未満 | 1.5 |
6 | 10,000以上 | 2 |
3 計画高水流量を定めない湖沼の堤防の高さは、計画高水位に波浪の影響を考慮して必要と認められる値を加えた値以上とするものとする。
4 胸壁を有する堤防の胸壁を除いた部分の高さは、計画高水位以上とするものとする。
(天端幅)
第21条 堤防(計画高水流量を定めない湖沼の堤防を除く。)の天端幅は、堤防の高さと堤内地盤高との差が0.6メートル未満である区間を除き、計画高水流量に応じ、次の表の右欄に掲げる値以上とするものとする。ただし、堤内地盤高が計画高水位より高く、かつ、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる区間にあっては、計画高水流量が1秒間につき500立方メートル以上である場合においても、3メートル以上とすることができる。
項 | 計画高水流量(単位:1秒間につき立方メートル) | 天端幅(単位:メートル) |
1 | 500未満 | 3 |
2 | 500以上2,000未満 | 4 |
3 | 2,000以上5,000未満 | 5 |
4 | 5,000以上10,000未満 | 6 |
5 | 10,000以上 | 7 |
2 計画高水流量を定めない湖沼の堤防の天端幅は、堤防の高さ及び構造並びに背後地の状況を考慮して、3メートル以上の適切な値とするものとする。
(盛土による堤防の法勾配等)
第22条 盛土による堤防(胸壁の部分及び護岸で保護される部分を除く。次項において同じ。)の法勾配は、堤防の高さと堤内地盤高との差が0.6メートル未満である区間を除き、50パーセント以下とするものとする。
2 盛土による堤防の法面(高規格堤防の裏法面を除く。)は、芝等によって覆うものとする。
(高規格堤防に作用する荷重の種類)
第23条 高規格堤防及びその地盤に作用する荷重としては、河道内の水位に応じ、次の表に掲げるものを採用するものとする。
項 | 河道内の水位 | 荷重 |
1 | 計画高水位以下である場合 | W、P、I、Pp |
2 | 計画高水位を超え、高規格堤防設計水位以下である場合 | W、P、Pp、τ |
備考 この表において、W、P、I、Pp及びτは、それぞれ次の荷重を表すものとする。 W 高規格堤防の自重 P 河道内の流水による静水圧の力 I 地震時における高規格堤防及びその地盤の慣性力 Pp 間隙圧(高規格堤防及びその地盤の内部の浸透水による水圧)の力 τ 越流水によるせん断力 |
(荷重等の計算方法)
第24条 前条に規定する荷重の計算その他高規格堤防の構造計算に関し必要な技術的基準は、次の各項により定める。
2 高規格堤防及びその地盤に関する構造計算は、河道内の水位が次に掲げる場合及び河道内の水位が高規格堤防設計水位以下で、かつ、水位が急速に低下する場合における荷重を採用して行うものとする。
(1) 平水位である場合
(2) 計画高水位である場合
(3) 高規格堤防設計水位である場合
3 高規格堤防の構造計算は、高規格堤防の表法肩から第21条による天端幅の部分より堤内地側の部分の敷地である土地が、通常の利用に供することができるものであるものとして行うものとする。
4 高規格堤防及びその地盤の滑りに関する構造計算に用いる設計震度は、0.15とする。
5 高規格堤防の地盤の液状化に関する構造計算に用いる高規格堤防の表面における設計震度は、前項に規定する値に1.25を乗じて得た値とする。
6 河道内の水位が平水位を超え計画高水位以下である場合は、高規格堤防及びその地盤の構造計算に用いる設計震度は、前2項に規定する値の2分の1の値とすることができる。
8 第23条の越流水によるせん断力は、高規格堤防と越流水との接触面において作用するものとし、次の式によって計算するものとする。
τ=W0hsIe
(この式において、τ、Wo、hs及びIeは、それぞれ次の数値を表すものとする。
τ 越流水によるせん断力(単位:1平方メートルにつき重量トン)
Wo 水の単位体積重量(単位:1立方メートルにつき重量トン)
hs 高規格堤防の表面における越流水の水深(単位:メートル)
Ie 越流水のエネルギー勾配)
9 高規格堤防は、第24条第2項に規定する場合において、河道内の流水による洗掘に対し、必要な抵抗力を有するものとし、かつ、河道内の水位が高規格堤防設計水位である場合において、越流水によるせん断力による洗掘に対し、必要なせん断抵抗力を有するものとする。
10 高規格堤防は、第24条第2項に規定する場合において、高規格堤防の内部及び高規格堤防の地盤面の付近における滑りに対し、必要な滑り抵抗力を有するものとする。
12 高規格堤防は、第24条第2項に規定する場合において、浸潤線が高規格堤防の裏側の表面と交わらない構造とするものとし、かつ、高規格堤防の地盤面の付近における浸透に対し、必要な抵抗力を有するものとする。
13 高規格堤防の地盤は、河道内の水位が計画高水位以下である場合において、地震時の液状化に対し、必要な抵抗力を有するものとする。
(小段)
第25条 堤防の安定を図るため必要がある場合においては、その中腹に小段を設けるものとする。
2 堤防の小段の幅は、3メートル以上とするものとする。
(側帯)
第26条 堤防の安定を図るため必要がある場合又は非常用の土砂等を備蓄し、若しくは環境を保全するため特に必要がある場合においては、次項で定めるところにより、堤防の裏側の脚部に側帯を設けるものとする。
(1) 第1種側帯 旧川の締切箇所、漏水箇所その他堤防の安定を図るため必要な箇所に設けるものとし、その幅は、3メートル以上とすること。
(2) 第2種側帯 非常用の土砂等を備蓄するため特に必要な箇所に設けるものとし、その幅は、5メートル以上で、かつ、堤防敷(側帯を除く。)の幅の2分の1以下(20メートル以上となる場合は、20メートル)とし、その長さは、おおむね長さ10メートルの堤防の体積(100立方メートル未満となる場合は、100立方メートル)の土砂等を備蓄するために必要な長さとすること。
(3) 第3種側帯 環境を保全するため特に必要な箇所に設けるものとし、その幅は、5メートル以上で、かつ、堤防敷(側帯を除く。)の幅の2分の1以下(20メートル以上となる場合は、20メートル)とすること。
(護岸)
第27条 流水の作用から堤防を保護するため必要がある場合においては、堤防の表法面又は表小段に護岸を設けるものとする。
(水制)
第28条 流水の作用から堤防を保護するため、流水の方向を規制し、又は水勢を緩和する必要がある場合においては、適当な箇所に水制を設けるものとする。
(堤防に沿って設置する樹林帯)
第29条 堤防に沿って設置する樹林帯は、次項で定めるところにより、洪水時における破堤の防止等について適切に配慮された構造とするものとする。
2 堤防に沿って設置する樹林帯の構造は、堤内の土地にある樹林帯にあっては、成木に達したときの胸高直径が30センチメートル以上の樹木が10平方メートル当たり1本以上あるものその他洪水時における破堤の防止等の効果がこれと同等以上のものとする。
(管理用通路)
第30条 堤防には、次項で定めるところにより、河川の管理のための通路(以下「管理用通路」という。)を設けるものとする。
2 管理用通路は、次に定めるところにより設けるものとする。ただし、管理用通路に代わるべき適当な通路がある場合、堤防の全部若しくは主要な部分がコンクリート、鋼矢板若しくはこれらに準ずるものによる構造のものである場合又は堤防の高さと堤内地盤高との差が0.6メートル未満の区間である場合においては、この限りでない。
(1) 幅員は、3メートル以上で堤防の天端幅以下の適切な値とすること。
(2) 建築限界は、次の図に示すところによること。
(波浪の影響を著しく受ける堤防に講ずべき措置)
第31条 湖沼、又は2以上の河川の合流する箇所の堤防その他の堤防で波浪の影響を著しく受けるものには、必要に応じ、次に掲げる措置を講ずるものとする。
(1) 表法面又は表小段に護岸又は護岸及び波返工を設けること。
(2) 前面に消波工を設けること。
(1) 天端、裏法面及び裏小段をコンクリートその他これに類するもので覆うこと。
(2) 裏法尻に沿って排水路を設けること。
(湖沼の堤防の天端幅の特例)
第33条 計画高水流量を定める湖沼の堤防に第31条第1項第1号に掲げる措置を講ずる場合においては、当該堤防の天端幅は、第21条第1項及び前条第2項の規定にかかわらず、第31条の規定により講ずる措置の内容及び当該堤防に接続する堤防(計画横断形が定められている場合には、計画堤防)の天端幅を考慮して、3メートル以上の適切な値とすることができる。
第4章 床止め
(構造の原則)
第36条 床止めは、計画高水位以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 床止めは、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさない構造とするものとする。
(護床工及び高水敷保護工)
第37条 床止めを設ける場合において、これを接続する河床又は高水敷の洗掘を防止するため必要があるときは、適当な護床工又は高水敷保護工を設けるものとする。
(護岸)
第38条 床止めを設ける場合においては、流水の変化に伴う河岸又は堤防の洗掘を防止するため、次項で定めるところにより、護岸を設けるものとする。
2 護岸は、次に定めるところにより設けるものとする。ただし、地質の状況等により河岸又は堤防の洗掘のおそれがない場合その他治水上の支障がないと認められる場合は、この限りでない。
(1) 床止めに接する河岸又は堤防の護岸は、上流側は床止めの上流端から10メートルの地点又は護床工の上流端から5メートルの地点のうちいずれか上流側の地点から、下流側は水叩きの下流端から15メートルの地点又は護床工の下流端から5メートルの地点のうちいずれか下流側の地点までの区間以上の区間に設けること。
(2) 前号に掲げるもののほか、河岸又は堤防の護岸は、湾曲部であることその他河川の状況等により特に必要と認められる区間に設けること。
(3) 河岸(低水路の河岸を除く。以下この号において同じ。)又は堤防の護岸の高さは、計画高水位以上とすること。ただし、床止めの設置に伴い流水が著しく変化することとなる区間にあっては、河岸又は堤防の高さとすること。
(4) 低水路の河岸の護岸の高さは、低水路の河岸の高さとすること。
(魚道)
第39条 床止めを設ける場合において、魚類の遡上等を妨げないようにするため必要があるときは、次項で定めるところにより、魚道を設けるものとする。
2 魚道の構造は、次に定めるところによるものとする。
(1) 床止めの直上流部及び直下流部における通常予想される水位変動に対して魚類の遡上等に支障のないものとすること。
(2) 床止めに接続する河床の状況、魚道の流量、魚道において対象とする魚種等を適切に考慮したものとすること。
第5章 堰
(構造の原則)
第40条 堰は、計画高水位以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 堰は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに堰に接続する河床及び高水敷の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。
項 | 計画高水流量(単位:1秒間につき立方メートル) | 径間長(単位:メートル) |
1 | 500未満 | 15 |
2 | 500以上2,000未満 | 20 |
3 | 2,000以上4,000未満 | 30 |
4 | 4,000以上 | 40 |
(1) 可動部の径間長は、同条第1項の規定による径間長に応じた径間数に1を加えた値で可動部の全長を除して得られる値以上とすることができる。ただし、可動部の径間長の平均値が30メートルを超えることとなる場合においては、流心部以外の部分に係る可動部の径間長を30メートル以上とすることができる。
(1) 可動部の径間長は、同条第2項に該当する場合を除き、ゲートの直高が2メートル以下の場合は、ゲートの縦の長さと横の長さとの比の値が10分の1となる値(15メートル未満となる場合は、15メートル)以上とすることができる。
項 | 計画高水流量(単位:1秒間につき立方メートル) | 可動部のうち土砂吐き又は舟通しとしての効用を兼ねる部分の径間長(単位:メートル) | 可動部の径間長の平均値(単位:メートル) |
1 | 500未満 | 12.5 | 15 |
2 | 500以上2,000未満 | 12.5 | 20 |
3 | 2,000以上4,000未満 | 15 | 30 |
4 | 4,000以上 | 20 | 40 |
(1) 計画高水流量が1秒間につき500立方メートル未満であり、かつ、兼用部分以外の部分の可動部の全長が30メートル未満である場合 12.5メートル
(2) 計画高水流量が1秒間につき2,000立方メートル以上であり、かつ、兼用部分以外の部分の径間長が50メートル以上である場合 条例第43条第1項の規定による径間長に応じた径間数に1を加えた値で兼用部分以外の部分の可動部の全長を除して得られる値
2 前項に規定するもののほか、可動堰の可動部のゲートの構造の基準に関し必要な事項は、次の各項により定める。
3 第12条第8項、第11項及び第12項の規定は、可動堰の可動部のゲートに作用する荷重について準用する。この場合において、これらの規定中「ダムの堤体」とあるのは「可動堰の可動部のゲート」と、第12条第9項中「第3条第1項の規定により定めた設計震度」とあり、並びに第12条第11項及び12項中「第3条第1項又は第2項の規定により定めた設計震度」とあるのは「第44条第4項に規定する設計震度」と、第12条第8項中「次の表の中欄に掲げる区分に応じ、同表の右欄に掲げる水位」とあるのは「計画湛水位に風による波浪の影響等を勘案し必要と認められる高さを加えた水位」と、第12条第9項中「第5条第1項及び前項」とあるのは「前項」と、第12条第12項中「ダム」とあるのは「可動堰」と、「ダムの非越流部の直上流部における水位」とあるのは「計画湛水位」と読み替えるものとする。
4 可動堰の可動部のゲートの構造計算に用いる設計震度は、0.12とする。
5 可動堰の可動部のゲートについては、第1項に規定するもののほか、必要に応じ、洪水時における動水圧その他のゲートに作用する荷重を計算するものとする。
6 可動堰の可動部が起伏式である場合におけるゲートの構造の基準は、同条第3項から第5項に規定するもののほか、次に定めるところによるものとする。
(1) ゲートの起立時における上端の高さは、計画横断形に係る低水路の河床の高さと計画高水位との中間位以下とすること。ただし、ゲートを洪水時においても土砂、竹木その他の流下物によって倒伏が妨げられない構造とするとき、又は治水上の機能の確保のため適切と認められる措置を講ずるときは、ゲートの起立時における上端の高さを堤内地盤高又は計画高水位のうちいずれか低い方の高さ以下とすることができる。
(2) ゲートの直高は、3メートル以下とすること。ただし、ゲートを洪水時においても土砂、竹木その他の流下物によって倒伏が妨げられない構造とするときは、この限りでない。
(水門の径間長の特例)
8 第42条第3項第1号及び第43条第3項の規定は、河川を横断して設ける水門について準用する。この場合において、これらの規定中「可動部」とあり、及び第43条第3項中「可動堰の可動部」とあるのは、「水門のうち流水を流下させるためのゲート及びこれを支持する門柱の部分」と読み替えるものとする。
(可動堰の可動部のゲートの高さ)
第45条 可動堰の可動部の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さは、計画高水流量に応じ、計画高水位に第20条第1項の表の右欄に掲げる値を加えた値以上で、当該地点における河川の両岸の堤防(計画横断形が定められている場合において、計画堤防の高さが現状の堤防の高さより低く、かつ、治水上の支障がないと認められるとき、又は計画堤防の高さが現状の堤防の高さより高いときは、計画堤防)の表法肩を結ぶ線の高さを下回らないものとするものとする。
2 可動堰の可動部の起伏式ゲートの倒伏時における上端の高さは、可動堰の基礎部(床版を含む。)の高さ以下とするものとする。
(可動堰の可動部の引上げ式ゲートの高さの特例)
第46条 背水区間に設ける可動堰の可動部の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さは、治水上の支障がないと認められるときは、前条第1項の規定にかかわらず、次に掲げる高さのうちいずれか高い方の高さ以上とすることができる。
(1) 当該河川に背水が生じないとした場合に定めるべき計画高水位に、計画高水流量に応じ、第20条第1項の表の右欄に掲げる値を加えた高さ
(2) 計画高水位
(管理施設)
第47条 可動堰には、必要に応じ、管理橋その他の適当な管理施設を設けるものとする。
第6章 水門及び樋門
(構造の原則)
第50条 水門及び樋門は、計画高水位以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 高規格堤防設置区間及び当該区間に係る背水区間における水門及び樋門にあっては、前項の規定によるほか、高規格堤防設計水位以下の水位の流水の作用に対して耐えることができる構造とするものとする。
3 水門及び樋門は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに水門又は樋門に接続する河床及び高水敷の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。
(構造)
第51条 水門及び樋門(ゲート及び管理施設を除く。)は、鉄筋コンクリート構造又はこれに準ずる構造とするものとする。
2 樋門は、堆積土砂等の排除に支障のない構造とするものとする。
(断面形)
第52条 河川を横断して設ける水門及び樋門の流水を流下させる部分の断面形は、計画高水流量(舟の通行の用に供する水門にあっては、計画高水流量及び通行すべき舟の規模)を勘案して定めるものとする。
2 前項の規定は、河川、一級河川及び二級河川以外の水路が河川に合流する箇所において当該水路を横断して設ける水門及び樋門について準用する。
(河川を横断して設ける水門の径間長等)
第53条 第41条から第43条まで(第42条第5項を除く。)の規定は、河川を横断して設ける水門について準用する。この場合において、第41条中「可動堰の可動部(流水を流下させるためのゲート及びこれを支持する堰柱に限る。次条及び第43条において同じ。)以外の部分(堰柱を除く。)及び固定堰」とあるのは「水門のうち流水を流下させるためのゲート及び門柱以外の部分」と、第42条及び第43条中「可動堰の可動部」とあり、及び「可動部」とあるのは「水門のうち流水を流下させるためのゲート及びこれを支持する門柱の部分」と、第42条第1項中「堰柱」とあるのは「門柱」と読み替えるものとする。
2 河川を横断して設ける樋門で2門以上のゲートを有するものの内法幅は、5メートル以上とするものとする。ただし、内法幅が内法高の2倍以上となるときは、この限りでない。
(ゲート等の構造)
第54条 水門及び樋門のゲートは、確実に開閉し、かつ、必要な水密性を有する構造とするものとする。
2 水門及び樋門のゲートは、鋼構造又はこれに準ずる構造とするものとする。
3 水門及び樋門のゲートの開閉装置は、ゲートの開閉を確実に行うことができる構造とするものとする。
(水門のゲートの高さ等)
第55条 水門のカーテンウォールの上端の高さ又はカーテンウォールを有しない水門のゲートの閉鎖時における上端の高さは、水門に接続する堤防(計画横断形が定められている場合において、計画堤防の高さが現状の堤防の高さより低く、かつ、治水上の支障がないと認められるとき、又は計画堤防の高さが現状の堤防の高さより高いときは、計画堤防)の高さを下回らないものとするものとする。
(管理施設等)
第56条 第47条の規定は、水門及び樋門について準用する。
2 水門は、次の各項で定めるところにより、管理用通路としての効用を兼ねる構造とするものとする。
3 管理用通路としての効用を兼ねる水門の構造は、次に定めるところによるものとする。ただし、管理用通路に代わるべき適当な通路がある場合は、この限りでない。
(1) 管理橋の幅員は、水門に接続する管理用通路の幅員を考慮した適切な値とすること。
(2) 管理橋の設計自動車荷重は、20トンとすること。ただし、管理橋の幅員が3メートル未満の場合は、この限りでない。
4 河川又は水路を横断して設ける水門又は樋門の設置に伴い必要となる護岸は、次に定めるところにより設けるものとする。ただし、地質の状況等により河岸又は堤防の洗掘のおそれがない場合その他治水上の支障がないと認められる場合は、この限りでない。
(2) 水門又は樋門が横断する河岸又は堤防に設ける護岸は、当該水門及び樋門の両端から上流及び下流にそれぞれ10メートルの地点を結ぶ区間以上の区間に設けるものとし、その高さについては、第38条第2項第3号及び第4号の規定を準用する。この場合において、同条同項第3号中「床止め」とあるのは、「水門又は樋門」と読み替えるものとする。
5 取水塔の設置に伴い必要となる護岸は、地質の状況等により河岸又は堤防の洗掘のおそれがない場合その他治水上の支障がないと認められる場合を除き、取水塔の上流端及び下流端から上流及び下流にそれぞれ取水塔と河岸又は堤防との距離の2分の1(第67条第1項の規定による基準径間長の2分の1を超えることとなる場合は、基準径間長の2分の1。10メートル未満となる場合は、10メートル)の距離の地点を結ぶ区間以上の区間に設けるものとし、その高さについては、第38条第2項第3号及び第4号の規定を準用する。この場合において、同条第3号中「床止め」とあるのは、「取水塔」と読み替えるものとする。
第7章 揚水機場、排水機場及び取水塔
(揚水機場及び排水機場の構造の原則)
第58条 揚水機場及び排水機場は、河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさない構造とするものとする。
2 揚水機場及び排水機場のポンプ室(ポンプを据え付ける床及びその下部の室に限る。)、吸水槽及び吐出水槽その他の調圧部は、鉄筋コンクリート構造又はこれに準ずる構造とするものとする。
2 吐出水槽その他の調圧部の上端の高さは、排水機場の樋門が横断する堤防(計画横断形が定められている場合において、計画堤防の高さが現状の堤防の高さより低く、かつ、治水上の支障がないと認められるとき、又は計画堤防の高さが現状の堤防の高さより高いときは、計画堤防)の高さ以上とするものとする。
(流下物排除施設)
第60条 揚水機場及び排水機場には、土砂、竹木その他の流下物を排除するため、沈砂池、スクリーンその他の適当な流下物排除施設を設けるものとする。ただし、河川管理上の支障がないと認められるときは、この限りでない。
(樋門)
第61条 揚水機場及び排水機場の樋門と樋門以外の部分とは、構造上分離するものとする。ただし、樋門が横断する河岸又は堤防の構造に支障を及ぼすおそれがないときは、この限りでない。
2 第53条第2項の規定は、揚水機場又は排水機場の樋門でポンプによる揚水又は排水のみの用に供されるものについては、適用しない。
2 取水塔は、鉄筋コンクリート構造又はこれに準ずる構造とするものとする。
3 取水塔の河床下の部分には、直接取水する取水口を設けてはならない。ただし、取水口の規模及び深さ等を考慮して治水上の支障がないと認められるときは、この限りでない。
第8章 橋
(河川区域内に設ける橋台及び橋脚の構造の原則)
第64条 河川区域内に設ける橋台及び橋脚は、計画高水位以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 河川区域内に設ける橋台及び橋脚は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに橋台又は橋脚に接続する河床及び高水敷の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。
(橋台)
第65条 河岸又は川幅が50メートル以上の河川、背水区間に設ける橋台は、流下断面内に設けてはならない。ただし、山間狭窄部であることその他河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められるときは、この限りでない。
2 堤防に設ける橋台(前項の橋台に該当するものを除く。)は、堤防の表法肩より表側の部分に設けてはならない。
3 堤防に設ける橋台の表側の面は、堤防の法線に平行して設けるものとする。ただし、堤防の構造に著しい支障を及ぼさないために必要な措置を講ずるときは、この限りでない。
4 堤防に設ける橋台の底面は、堤防の地盤に定着させるものとする。
2 河道内に設ける橋脚の基礎部は、低水路(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る低水路を含む。以下この項において同じ。)及び低水路の河岸の法肩から20メートル以内の高水敷においては低水路の河床の表面から深さ2メートル以上の部分に、その他の高水敷においては高水敷(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る高水敷を含む。以下この項において同じ。)の表面から深さ1メートル以上の部分に設けるものとする。ただし、河床の変動が極めて小さいと認められるとき、又は河川の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められるときは、それぞれ低水路の河床の表面又は高水敷の表面より下の部分に設けることができる。
(径間長)
第67条 橋脚を河道内に設ける場合においては、当該箇所において洪水が流下する方向と直角の方向に河川を横断する垂直な平面に投影した場合における隣り合う河道内の橋脚の中心線間の距離(河岸又は堤防(計画横断形が定められている場合には、計画堤防。以下この条において同じ。)に橋台を設ける場合においては橋台の胸壁の表側の面から河道内の直近の橋脚の中心線までの距離を含み、河岸又は堤防に橋台を設けない場合においては当該平面上の流下断面(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る流下断面)の上部の角から河道内の直近の橋脚の中心線までの距離を含む。以下この条において「径間長」という。)は、山間狭窄部であることその他河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる場合を除き、次の式によって得られる値(その値が50メートルを超える場合においては、50メートル)以上とするものとする。ただし、径間長を次の式によって得られる値(以下この項及び第3項において「基準径間長」という。)以上とすればその平均値を基準径間長に5メートルを加えた値を超えるものとしなければならないときは、径間長は、基準径間長から5メートルを減じた値(30メートル未満となるときは、30メートル)以上とすることができる。
L=20+0.005Q
(この式において、L及びQは、それぞれ次の数値を表すものとする。
L 径間長(単位:メートル)
Q 計画高水流量(単位:1秒間につき立方メートル)
(1) 計画高水流量が1秒間につき500立方メートル未満で川幅が30メートル未満の河川に設ける橋 12.5メートル
(2) 計画高水流量が1秒間につき500立方メートル未満で川幅が30メートル以上の河川に設ける橋 15メートル
(3) 計画高水流量が1秒間につき500立方メートル以上2,000立方メートル未満の河川に設ける橋 20メートル
3 前項で定める主要な公共施設に係る橋は、次に掲げるものに係る橋とする。
(1) 全国新幹線鉄道整備法(昭和45年法律第71号)第2条に規定する新幹線鉄道
(2) 道路法(昭和27年法律第180号)第3条第1号に規定する高速自動車国道
(3) 前号に規定する道路以外の道路で幅員30メートル以上のもの
4 基準径間長が25メートルを超えることとなる場合においては、第1項の規定にかかわらず、流心部以外の部分に係る橋の径間長を25メートル以上とすることができる。この場合においては、橋の径間長の平均値は、これらの規定により定められる径間長以上としなければならない。
5 河道内に橋脚が設けられている橋、堰その他の河川を横断して設けられている施設に近接して設ける橋の径間長については、これらの施設の相互の関係を考慮して治水上必要と認められる範囲内において規則で特則を定めることができる。
(2) 既設の橋等と近接橋との距離が、同条第1項の規定による基準径間長以上であって、かつ、川幅(200メートルを超えることとなる場合は、200メートル)以内である場合においては、近接橋の橋脚を既設の橋脚等の見通し線上又は既設の橋等の径間の中央の見通し線上に設けること。
2 橋面(路面その他次項で定める橋の部分をいう。)の高さは、背水区間においても、橋が横断する堤防(計画横断形が定められている場合において、計画堤防の高さが現状の堤防の高さより低く、かつ、治水上の支障がないと認められるとき、又は計画堤防の高さが現状の堤防の高さより高いときは、計画堤防)の高さ以上とするものとする。
3 前項で定める橋の部分は、地覆その他流水又は波浪が橋を通じて河川外に流出することを防止するための措置を講じた部分とする。
2 橋の設置に伴い必要となる護岸は、次に定めるところにより設けるものとする。ただし、地質の状況等により河岸又は堤防の洗掘のおそれがない場合その他治水上の支障がないと認められる場合は、この限りでない。
(1) 河道内に橋脚を設けるときは、河岸又は堤防に最も近接する橋脚の上流端及び下流端から上流及び下流にそれぞれ第67条第1項の規定による基準径間長の2分の1の距離の地点を結ぶ区間以上の区間に設けること。
(2) 河岸又は堤防に橋台を設けるときは、橋台の両端から上流及び下流にそれぞれ10メートルの地点を結ぶ区間以上の区間に設けること。
(3) 護岸の高さについては、第38条第2項第3号及び第4号の規定を準用する。この場合において、同条同項第3号中「床止め」とあるのは、「橋」と読み替えるものとする。
3 同条第1項及び第2項の規定による場合のほか、橋の下の河岸又は堤防を保護するため必要があるときは、河岸又は堤防をコンクリートその他これに類するもので覆うものとする。
(管理用通路の構造の保全)
第70条 橋(取付部を含む。)は、次項で定めるところにより、管理用通路の構造に支障を及ぼさない構造とするものとする。
2 管理用通路の構造に支障を及ぼさない橋(取付部を含む。)の構造は、管理用通路(管理用通路を設けることが計画されている場合は、当該計画されている管理用通路)の構造を考慮して適切な構造の取付通路その他必要な施設を設けた構造とする。ただし、管理用通路に代わるべき適当な通路がある場合は、この限りでない。
2 前項の規則で定める要件に該当する区域は、橋の設置地点を含む一連区間における計画高水位の勾配、川幅その他河川の状況等により治水上の支障があると認められる区域とする。
3 同条第1項の規則で定める橋は、次に掲げるものとする。
(1) 高水敷に設ける橋で小規模なもの
(2) 低水路に設ける橋で可動式とする等の特別の措置を講じたもの
第9章 伏せ越し
(適用の範囲)
第72条 この章の規定は、用水施設又は排水施設である伏せ越しについて適用する。
(構造の原則)
第73条 伏せ越しは、計画高水位以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 伏せ越しは、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、並びに付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさない構造とするものとする。
(構造)
第74条 堤防(計画横断形が定められている場合には、計画堤防を含む。以下この項において同じ。)を横断して設ける伏せ越しにあっては、堤防の下に設ける部分とその他の部分とは、構造上分離するものとする。ただし、堤防の地盤の地質、伏せ越しの深さ等を考慮して、堤防の構造に支障を及ぼすおそれがないときは、この限りでない。
2 第51条の規定は、伏せ越しの構造について準用する。
(ゲート等)
第75条 伏せ越しには、流水が河川外に流出することを防止するため、河川区域内の部分の両端又はこれに代わる適当な箇所に、ゲート(バルブを含む。次項において同じ。)を設けるものとする。ただし、地形の状況により必要がないと認められるときは、この限りでない。
(深さ)
第76条 伏せ越しは、低水路(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る低水路を含む。以下この条において同じ。)及び低水路の河岸の法肩から20メートル以内の高水敷においては低水路の河床の表面から、その他の高水敷においては高水敷(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る高水敷を含む。以下この条において同じ。)の表面から、堤防(計画横断形が定められている場合には、計画堤防を含む。以下この条において同じ。)の下の部分においては堤防の地盤面から、それぞれ深さ2メートル以上の部分に設けるものとする。ただし、河床の変動が極めて小さいと認められるとき、又は河川の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められるときは、それぞれ低水路の河床の表面、高水敷の表面又は堤防の地盤面より下の部分に設けることができる。
第10章 雑則
(適用除外)
第77条 この条例の規定は、次に掲げる河川管理施設又は許可工作物(以下「河川管理施設等」という。)については、適用しない。
(1) 治水上の機能を早急に向上させる必要がある小区間の河川における応急措置によって設けられる河川管理施設等
(2) 臨時に設けられる河川管理施設等
(3) 工事を施行するために仮に設けられる河川管理施設等
(計画高水流量等の決定又は変更があった場合の適用の特例)
第78条 河川管理施設等が、これに係る工事の着手(許可工作物にあっては、法第26条の許可。以下この条において同じ。)があった後における計画高水流量、計画横断形、計画高水位(以下この条において「計画高水流量等」という。)の決定又は変更によってこの条例の規定に適合しないこととなった場合においては、当該河川管理施設等については、当該計画高水流量等の決定又は変更がなかったものとみなして当該規定を適用する。ただし、工事の着手が当該計画高水流量等の決定又は変更の後である改築(災害復旧又は応急措置として行われるものを除く。)に係る河川管理施設等については、この限りでない。
2 小河川に設ける河川管理施設等については、河川管理上の支障があると認められる場合を除き、次に定めるところによることができる。
(1) 堤防の天端幅は、計画高水位が堤内地盤高より高く、かつ、その差が0.6メートル未満である区間においては、計画高水流量に応じ、次の表の右欄に掲げる値以上とすること。
項 | 計画高水流量(単位:1秒間につき立方メートル) | 天端幅(単位:メートル) |
1 | 50未満 | 2 |
2 | 50以上100未満 | 2.5 |
(2) 堤防の高さは、計画高水位が堤内地盤高より高く、かつ、その差が1.6メートル未満である区間においては、計画高水流量が1秒間につき50立方メートル未満であり、かつ、堤防の天端幅が2.5メートル以上である場合は、計画高水位に0.3メートルを加えた値以上とすること。
(3) 堤防に設ける管理用通路は、川幅が10メートル未満である区間においては、幅員は、2.5メートル以上とし、建築限界は、次の図に示すところによること。
附則
(施行期日)
1 この規則は、平成25年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 昭和51年10月1日において現に存する河川管理施設等又は現に工事中の河川管理施設等(既に法第26条第1項の許可を受け、工事に着手するに至らない許可工作物を含む。)がこの条例の規定に適合しない場合においては、当該河川管理施設等については、当該規定は、適用しない。ただし、工事の着手(許可工作物にあっては、法第26条第1項の許可)が同日以後である改築(災害復旧又は応急措置として行われるものを除く。以下同じ。)に係る河川管理施設等については、この限りでない。
3 平成4年2月1日において現に存する水門及び樋門(以下「水門等」という。)又は現に工事中の水門等(既に法第26条第1項の許可を受け、工事に着手するに至らないものを含む。)がこの条例の規定に適合しない場合においては、当該水門等については、当該規定は、適用しない。ただし、工事の着手(同項の許可を受けて設置される水門等にあっては、同項の許可)が同日以後である改築に係る水門等については、この限りでない。